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データ消去の落とし穴(データが簡単に消えないワケ)
・保存期間を終えて廃棄すべき記録メディアが発生した。
・記録メディアの種類を変更したため、これまで使っていた記録メディアが不要になった。
・利用していない記録メディアが放置されたままになっている。
・セキュリティ対策の一環で記録メディアの使用を禁止したため、これまで使っていた記録メディアを処分したい。
上記のように様々な理由で、記録メディアを廃棄しなくてはならないタイミングが必ず発生します。
個人情報保護法の完全施行以来、たった1件の情報漏えいでも、多額の損害賠償や信用の失墜による営業機会の損失など企業生命に大きく関わる問題となっており、
記録メディアを廃棄する際にも、情報漏えいを防ぐために適切な処理を選択しなくてはなりません。
情報漏えい防止のためのセキュリティ対策として、記録メディアを廃棄する際に行うべき適切な処理とは、「必ずデータ消去してから廃棄すること」です。 そうすることで、廃棄経路の中で万が一記録メディアが流出したとしても、情報の漏えいは防ぐことができます。このことはセキュリティ対策の常識として、一般的に認知されてきています。
ところが、それでも残念ながら「廃棄したはずの記録メディアから情報が漏えいした」というケースが発生しています。それはなぜなのでしょうか?
【コラム:「信頼できる業者に処理を委託しているから廃棄前のデータ消去は必要ない」は危険!】
2008年、東京消防庁が大手電気メーカーに廃棄処理を委託したはずのハードディスク(個人情報を含む情報が含まれていた)が中古品量販店に流出していた、という事件が発生しました。このように、どんなに信頼できる業者でも、そのまま処理を任せて安全とは言えないのです。
本当に"確実"なデータ消去方法とは?
データ消去の方法は様々です。
・削除、フォーマット
・データ消去ソフト(上書き消去)
・磁気消去(Degausser)
・物理破壊
重要なのは、その選択を誤らないことです。
そもそも記録メディアの本来の役割は、「重要なデータが消えないように保存しておくこと」です。すなわち記録メディアはデータが簡単には消えないように作られているということです。
それを十分に理解したうえで適切なデータ消去方法を選択しなくてはなりません。
勘違いによるデータ消去の落とし穴にはまらないよう、データ消去には細心の注意が必要なのです。
削除・フォーマット
削除やフォーマットをしても、データは消去されません。
データの管理情報に「削除した」という情報を付加して、データを表面上見えないようにしただけです。
そのためデータの復元は簡単(市販のデータ復元ソフトでも復元できてしまいます)で、情報漏えいの可能性は非常に高いと言えます。
実際、2009年にある芸能人が合成麻薬を一緒に使用した女性が薬物中毒で死亡する、という事件が発生して世間を騒がせましたが、この時逮捕された芸能人から押収した携帯電話から事件に直接かかわる内容のメールが削除されていたそうですが、 警視庁捜査1課はコンピューターソフトにて消去されたすべてのデータを復元した、と報じられました。
このように、「削除・フォーマット」はセキュリティ対策としてのデータ消去の方法にはなり得ません。
データ消去ソフト(上書き消去)
無意味なデータを上書きすることで、元のデータを塗りつぶしてしまう方法です。
アメリカ国防総省でも推奨している方法(ただし「確実性を保つには最低3回の上書き作業が必要」と規定)です。
しかしこの方法は非常に長い作業時間を要するため、近年の大容量メディアを処理するのは現実的ではありません。
例えば記録メディアの容量およそ1GBあたりに要する時間は約1分。仮に300GBのハードディスクを処理する場合、約5時間かかるということです。
さらにアメリカ国防総省の規定に準じて処理しようとした場合、前述のとおり「確実性を求めるには最低3回の上書き作業が必要」と規定しているため、「5時間×3回=15時間」もかかるのです
なお、この方法は作業後も記録メディアが原形を留めているため、コンピューター等で読み込もうとすることが可能です。つまり万が一データ消去が不完全であった場合、容易にデータが抽出できてしまうのです(情報漏えいの可能性が非常に高い)。
よって作業後に、データが本当に消えたかどうかの検証を別途必ず行わなくてはなりません。そのため、さらに時間を要することとなります。
さらに、この作業はコンピューター上で行うため、記録メディアがエラーなどで読み込めない不良状態にある場合(データはメディア内に残っているのに、コンピューターがメディアを認識できない)、 この方法を実施することはできません。
磁気消去
磁気式記録メディアに対して(磁気式記録メディア以外の記録メディアには意味をなしません)、強い磁気を照射することでデータを消去する方法です。
アメリカ国防総省規格においてもデータ消去方法として推奨されています。
しかし、誤った理解のままこの方法を選択すると、データ消去が不完全となる場合があるため注意が必要です。
1.保磁力~データは簡単には消えません~
あるお客様から、以下のようなご相談が当社に寄せられました。
今まで使っていた消磁装置が、知らない間に実は情報が消去されていない事がわかり、買い直す事になりました。 なにぶん古いもので仕方ないとは思いますが、動作自体は外見上問題なく、故障したとはっきりわからず消去したと安心していたので困りました。
このお客様は、消磁装置が古くて故障したものと思われていました。ところが情報が消去されていない理由は装置の故障ではなかったのです。まさにこれが磁気消去によるデータ消去の落とし穴なのです。
前にも述べたとおり、そもそも記録メディアの本来の役割は「重要なデータを消失しないように保存しておくこと」です。
例えば磁気式記録メディアの場合、少しの磁気に触れた程度で簡単にデータが消失するようなことは許されません。そのため記録メディアは、磁気に対する抵抗力を持っているのです。これを「保磁力」と言います。
つまりデータ消去のために照射する磁気の強さは、記録メディアの保磁力を超える強さでなければならないのです(例えばハードディスクのデータ消去には、保磁力の約1.4倍以上の強さが必要と言われています)。
この保磁力は、記録メディアの進化とともに高くなっています。
例えばLTOの保磁力は、オープンリールの2倍以上です。つまりオープンリールのデータ消去に活躍した消磁装置でも、LTOには歯が立たない可能性があるのです。前述のお客様において「知らない間に情報が消去されてない事がわかり」という原因は、実はこれだったのです。
すなわち使用していた消磁装置が古かったため、照射する磁気の強さが、近年の記録メディアの保磁力より低かったのです。
データ消去対象の記録メディアの保磁力を正しく理解し、それを上回る磁気を照射できる装置を使用しなければ、データは消えないということです。
逆に言えば、記録メディアの進化にあわせて、磁気消去装置は常に新しいものに買い換えていかなければならないということなのです。
2.水平方式と垂直方式~新化するハードディスク~
近年ハードディスクは大容量化(高密度化)のため、従来の「水平磁気記録方式」から「垂直磁気記録方式」へと移行しています。
水平式のハードディスクに対しては、前述のとおり保持力を上回る磁力を照射することでデータ消去が可能です。ところが垂直式のハードディスクは、
磁性体の厚みが水平式の約10~100倍強く、単純に保持力を上回る磁力を照射しただけではデータ消去できない場合があります。
実際に、ある大手磁気消去装置製造メーカーの社長は、新聞記事で次のようなコメントを発表しています。
「従来の消去装置を使っている場合、最新のHDDデータを消去できない恐れがある」
よってこれからの磁気消去装置は、垂直式に対応したものを使用しなくては、確実なデータ消去は行えず、単純に保磁力より大きな磁気を照射できる装置なら安心というわけにはいかないのです。
磁気消去装置の難点は、このように記録メディアの変化とともに常に最新の機種に買い替えをしていかなければならないことです。
3.データ消去の確認が難しい
前述のとおり、磁気消去してもデータは消えていない可能性があること、またデータ消去ソフト同様で処理後に記録メディアが原形を留めた状態であるため、必ずデータが消えたかどうかの検証作業が必要です。 ところがこの作業は時間と費用がかかるため、手軽に行えるというわけではありません。
またメディアの高密度化が進む中、最新の磁気式記録メディアの中には、正確にデータを読み取るための道しるべ(サーボトラック)が記録されているものがあります。 これは磁気的に記録されたものなので、磁気を照射した場合はサーボトラック自体が消失してしまい、データが消えたかどうかさえ確認できなくなってしまいます。
最後に、繰り返しになりますが、当然ながら磁気消去というデータ消去方法は、磁気記録方式のメディアにしか意味をなしません。
つまり、磁気式記録メディア用の対策のためにどれだけ最新の磁気消去装置を導入しても、それ以外の方式の記録メディアに対する対策は別途講じなければならないということです。
物理破壊
記録メディアを物理的に破壊することは、万能で最も確実な究極的データ消去方法であると言えます。
記録メディアがエラーなどで読み込めない不良状態にある場合(データはメディア内に残っているのに、コンピューターがメディアを認識できない)でも処理することができますし、 記録メディアの保磁力および水平、垂直などの記録方式に左右されることもありません。また磁気式、光学式などの記録メディアの種別を問わず、あらゆる記録メディアに対応できます。このような利点から、アメリカ国防総省規格においても、最終的には物理破壊を推奨しています。
何よりも視覚的に記録メディアが壊れたことが確認できるため、「万が一データが消えていなかったら」と心配する必要もありません。このため最近では、上書き消去や磁気消去の後に、より確実性をもたせるために物理破壊を合わせて行うことが多くなっています。
一見、完璧なデータ消去方法であるように思える物理破壊ですが、やはり物理破壊によるデータ消去にも落とし穴があります
それは、「物理破壊は、データそのものを消去する方法ではない」ということです。
メディアを物理的に破壊して形状を変えることにより「コンピューター等でメディアを読み込めないようにする」のが物理破壊であり、上書き消去や磁気消去のようにデータそのものを消去する手段ではないのです。いわば物理破壊は、間接的なデータ消去方法と言えます。
つまり万能で最も確実な究極的データ消去方法ではありますが、データそのものが消えているわけではない以上、中途半端な物理破壊はかえって危険だということです。
1.穿孔(穴開け)
物理破壊の方法として、最も一般的なのが「穿孔(穴開け)」ではないでしょうか。
ところがこの方法はあくまでも「局所的な穴開け」に過ぎず、まさに前述の「中途半端な物理破壊」にあたります。
大手電気メーカーの子会社でデータ消去サービスを提供する会社の所長も、「穴を開けた部分のデータは失われるが、大部分のデータは残る。高価な読み取り機械を使えばデータを 復旧することは可能であり、専門家としては万全の対策としてはお勧めできない」と、あるメディアで語っています。
そのため、中央官庁など機密レベルの高い情報を取り扱う機関では、近年「穿孔(穴開け)」では不十分という認識が一般化してきています。
悪意の第三者からすれば、「物理破壊されている=重要情報が保存されている」メディアであり、かつ「原形が判別できる中途半端な破壊状態=情報を抜き出せる可能性あるかもしれない」と認識でき、情報の抽出を試みたいという心理を招きます。 つまり「穿孔(穴開け)」することで、余計に情報漏えいのリスクを高めてしまうことにもなりかねないのです。
このようなことから「穿孔(穴開け)」だけの処理は敬遠される傾向にあり、上書き消去や磁気消去と組み合わせることが多くなっています。しかしこれでは、本来万能で最も確実な究極的データ消去方法であるはずの物理破壊の意味が薄れてしまいます。
2.粉砕
物理破壊によるデータ消去の落とし穴にはまらないためには、「原形さえ判別できないほどに徹底的に物理破壊すること」です。
ところが徹底的な物理破壊といっても、例えばCDやFD(フロッピーディスク)程度ならメディアシュレッダーにかけられますが、ハードディスクなどはどうしたらよいのでしょうか?まさか産廃施設にあるような超大型の機械を、誰でも使えるわけではありません。
マルチメディアクラッシャー・マイティセキュリティシリーズは、これまでのメディアシュレッダーの常識を覆したメディアシュレッダーの革命児です。
独自の構造により、ハードディスクさえも粉々に物理破壊することが可能です。処理後の粉砕くずは、原形を判別することもできないほどに粉々の状態になります。
データ消去方法としての役割は当然ながら、処理後のメディアは第三者から見ても「ただのゴミ」にしか見えないため、2次的な情報漏えいリスクに対しても効果的です。
マルチメディアクラッシャー・マイティセキュリティシリーズこそ、万能で最も確実な究極的データ消去方法なのです。